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醉醒笑 

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2017年 03月 25日

場末の名店 寿司屋

寿司は江戸前、とは限らない。浪速の下町に名店あり
通の通うお店 ところはは大阪難波、上方お笑いの殿堂「難波花月」の東側、雑駁な場末の一角に佇む小体なお店。息子の案内で。
外見はちょいとくたびれて見えるが、戸障子、陳列棚は手入れが行き届いて小ざっぱり、場末のちょっと乱雑な四囲の雰囲気の中にあって、ここだけは引き締まっている。店の名は「あばらや」、多分「荒ら家」の意だろうが、主人の心意気が窺える良い名である。

中は5、6人ほどのカギ型のカウンターとそれいっぱいの板場、調理場はさらに奥に隠れている。カウンターは厚み十センチを超える欅の一枚板、渋い色の付け台に、小さなガラスのネタケース、古めかしい品書き板など、皆小綺麗で居心地良い。奥の一、二階には小人数の宴会ができる小座敷があるようで、我々がいる間にも二組ほどのグループが上がって行った。

寿司屋だから寿司がメインだろうが、居酒屋メニュウも数あるなようで季節には本格的なフグ料理も供すという。さて、寿司である。
握りはもちろんだが、通が通うお目当は「鯖寿司」それも姿では無く、「バッテラ」である。仕立てが他店、いわゆる一般的な酢締めでないのがこの店独特、先代の考案だという、塩のみによる締めだそうである。一口頬張ると、鯖そのものもきちんとしたものに違いないが、まさかこれが塩締めだけか、と訝るほど、ほのかな酸味まで感じられるようで深い味わいなのである。通のお薦めに納得である。
注文の仕方が面白い、一ダース、半ダースと頼む、ちなみに半ダースは10切れ。ボリューム満点、3〜4人でこれを頼み、後は各自がお好みで握って貰うやり方がいいだろう。

店内風景 先代からという板前、七十がらみの寡黙な、いかにも職人という風情 店主は二代目という三、四十がらみのお人
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名代の鯖寿司(半ダース)
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握り まぐろ、鯛、赤貝 小ぶりで酒を飲みながらに食べやすい
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なまこの酢の物 すの塩梅が絶妙 別に出た小鉢の味わいといい、自家製塩辛といい、実に疎かでない手間暇かかった良い味であった
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by gettenn66 | 2017-03-25 11:08 | Comments(0)


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